「ティール組織」はこれからの経営者に読んで欲しい一冊

「ティール組織」はこれからの経営者に読んで欲しい一冊
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巷で話題の「ティール組織(洋書名:Reinventing Organizations)」をついに読むことができました。 簡単な書評と所感を書きたいと思います。 以降の内容は 若干のネタバレを含みます ので、本をまだ読まれていない方は、先に本を読むことをオススメします。

超分厚い一冊には今どき組織論のエッセンスが詰まっていた

この書籍は500ページを超える分厚めの書籍です。私は通勤電車の中で毎日これを読んでいたのですが、持ち運びには向きませんね笑。私はKindle Paperwhiteを所有しているので、Kindle版を購入すれば良かったと後悔しました。

ただし、そのページ分量に見合うだけのエッセンスは詰まっています。 特に今どきの組織論系の本でよく語られている内容は所々に散りばめられており、説明も一貫かつ丁寧になされているため、 この一冊を読めば組織論に関する知識がない読者でも一から体系的に知識を抑えることができるでしょう。 過去にリーダーシップ論、組織論、自己啓発の類を読んだことがある人は、自己の知識とマッピングされる箇所が多数あるでしょう。

雑な言い方をすると、

  • 組織の基本概念はホラクラシー
  • 管理職の役割はManagement3.0
  • 従業員の行動原理はアンソニー・ロビンズ

と共通する部分をいくつか感じました。

また、本書のコンテンツはおおまかに以下のような流れにて構成されています。

  • 組織モデルの移り変わり
  • ティールとはどのような組織か
  • ティール組織に必要なもの
  • ティール組織における、経営役員、管理職、従業員の役割
  • ティール組織を作るには
  • 組織の社会的存在意義を明確にする

途中からは実際にティール組織として機能している会社事例を織り交ぜながら話が進んでいきます。 どの企業も組織内の信頼関係に下支えされた経営を行っており、企業として機能していること自体に凄さを感じえませんでした。

この本は経営者向けの本

一通り読んで、本書からのメッセージを一言で表現するなら 「『個人』も『組織』も内発的な動機づけによって行動すべきだ」 といったところでしょう。

その理論を実現するための柱となる考え方は以下の3つです。

  1. 個人は内発的動機付けによって行動を起こし、周囲と協調しつつ(コンセンサスではない)、自身で意思決定を行う
  2. 組織(企業)は個人を活かすために心理的安全性を確保しなければならない
  3. 組織(企業)は自分達の社会的存在意義を認識すること

この3つのポイントを組織に根付かせるために、ブレークダウンされた論展開がなされていくのですが、 読めば読むほど、 「とても良い理論だけど、かなり地ならしが必要」 と感じてしまいます。

そして、その「地ならし」を行えるのは 経営者だけ だと悟るのです。ボトムアップ式では無理である、と。



ゆえに、この本は 「経営者向けの本である」 と私は考えています。


なお、「どのような企業がティール組織に向いているか」「既存の組織をティール型にするには」という点に関して、 本書の中で筆者もきちんと触れています。

その項も納得する部分が多く、納得する部分が多いからこそ、読者が「うちじゃ無理かも」と思わせる。 特に 日系の大手企業では導入は難しい と言わざるを得ません。

大体の企業はトップダウン式の階層構造型であり、特に意思決定や権限に対してティール組織の概ね対極に位置するモデルといえます。 ティールを適用した場合、中間管理職の層が最も不利益を被りやすく、その不公平感から、結果的に社内の心理的安全性が失われ、導入に失敗するのではないか、と私は推察しました。

これが中盤以降に発覚するので、いわば「上げて落とす」ような構成になっています。

最後に

いろいろとネガティブなことも書いてしまいましたが、学ぶ所は多い書物です。 これを読むと、一瞬、「独立して、社長やってみようかな」とすら思ってしまうほど、心清らかな組織論です。

従業員個人の内発的動機を最大限に活かすことをエンジンとしているので、雇われ社長ではなく、 内発的動機を持った社長で、かつワンマンでない方にとっては心強い転ばぬ先の杖になるのではないでしょうか。

また、私のような一介の従業員の目線としては 「やらされ仕事ではなく、自身の内発的動機に基づく仕事に従事したい」 という意味で、ティールな組織で働いてみたいと思わせてくれました。 少なくとも、今後の社会人人生の次のステージに向けて、良い影響を与えてくれた良書であることは間違いありません。


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